2016新春の設備投資(3)2016年01月19日 00時51分

いよいよ、実戦に投入?したIC-7300

しかし、今はコンディションが悪いので、夜になるとトライバンダーに接続した状態ではナ~ンニモ聞こえません。


そこで暇つぶし。

新しいブツを買うと、つい、やりたくなってしまう中身のチェックを実施することにしました。

たぶん、フルショットでは世界初公開の内部写真だと思いますすので、興味のある人は、ご覧あれ....


まず、上面のケースを外します。

意外とアルミ・ダイキャスト製シャシに締めてあるビスが多いですね。


シャシ上部は、ご覧のように右側のPA-UNITが半分以上を占めています。

まぁでも、これぐらいのスペースがあってシンプルな構造となっていれば、CWで100W出していてもファイナルのRD70HVF1×2が伸びる事も無いでしょう。

そして左側はRF-UNITです。

ここらあたりをシッカリ作れるのが、主要アマチュア無線機器メーカーなのでしょう。w


次に、底部のケースを外してみます。

工作精度はさすがに日本の工業製品です、一昔前のPCケースのように無理にビスをねじ込んだりしていません。

そしてピチッと音を立てながら緩まるビスこそ、新品の証です。


シャシ底面は、ご覧のようにとの無線機の心臓部MAIN-UNITとアンテナチューナーであるTUNER-UNITが半分ずつのスペースを占めています。

MAIN-UNITは従来の機種でいうと1st-Mixer以降のすべてとなっています。



そのMAIN-UNITの主要部品を拡大すると....


R7S721000VC、これはMAIN-CPUです。


TMS320C6745、これはIF-DSPですね。


そしてEP4CE55F2317N、これはFPGAです。

これら3つのチップだけで従来のIF部以降すべてが構成されているわけですが、もはや現代のIF回路にはLC素子などはありませんね。昔はIFT....なんてものもありましたが....。

さらに、写真左側にはヒートシンクの付いたチップがありますが、このあたりがADCのようです。
メーカーから公表されているブロックダイアグラムや回路図ではADC-UNITと記載され詳細がマスクされていますが、すでにネット上ではチップの型番がLTC-2208-14だと特定されています。
何故今更、昔のアナログVFOの回路図のようにマスクして隠蔽するのか、ちと頭を捻ってしまうような話ですね。

詳細は製品を買うとCD-ROMに収録されたPdfのブロック図やら回路図が付いてますので、そちらをご覧ください。



では、晩酌を飲んだ危うい作業で壊してしまう前に、元に戻しましょう....



はい、きれいに元に戻りました。

この無線機はMAIN-UNITが肝....と言うことになりますが、狭帯域のルーフィング・フィルターを使うためにダウンコンバートする方式をスッ飛ばしてダイレクト・サンプリングに行くとこうなるよ....という、次世代の機器のお手本となる事でしょうネ。



ところで、アイコムのショールームで触り倒した時は中波放送を受信すると赤い字の警告が度々現れましたが、拙宅ではそういう現象は起きません。

そこで、セットモードの設定でBC帯16dB-ATTを解除してみると....


やはり、このOVFが表示されました。

OVFはOver flowの略で、FPGAの入力が閾値を越えているという事なのでしょう。
この表示が出ると、JOBKとJOBBに加えさまざまなラジオ番組を一度に聴く事ができますが、私は聖徳太子では無いので遠慮しときます。w



さて、音声用デジタルミキサー卓などのメーターの0dBにあたるレベルが、IC-7300ではS9+60dBぐらい....という感覚で捉えたら良いのでしょうか?

たしかデジタル機器というものは、0dBまではブチ込んでも大丈夫ですね。超えるとダメなのは理屈通りですが、もし、そこまで入力させても良いのであれば....

入力信号を大きくしていくと徐々に影響が出はじめる従来のアナログ機と比べると、大入力信号の環境の下では次元の違うポテンシャルがある受信機なのかもしれません。

ひょっとしたら、レベル管理さえしっかりすれば、ナカナカ楽しめそうな機器なのかも知れませんネ!!。

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追伸

OVFが表示される原因は、666kHzのJOBKではなく828kHzのJOBBの信号が強力だから....のようです。(プリアンプOFFで、JOBK=S9+50dB、JOBB=S9+60dB)

ざっくり言うとSメーターがS9+40dBぐらいではOVF表示は現れませんから、振り切る信号が存在してなければ大丈夫....という事のようです。

中波や短波の大電力送信所が近くに無く、ご近所に同業者の変な人も居ない環境であれば、通常の使用では大丈夫な可能性大....ということですね。w

ただ、我が家では40M-Bandの上下の放送と一部の同業者がS9+50dBとなりますので、何らかの対策・使いこなしが必要なのかも知れません。



結論でも何でもありませんが、これらFPGAを使用した機器単体としては、RF-UNIT(のフィルター特性など)の出来具合が従来に増して重要であることがわかりますね。

コメント

_ JA1-13789 清水 康行 ― 2016年03月01日 15時29分

クールなリポートですね、FBだと思います。

_ Hisa ― 2016年04月23日 01時07分

清水さん、こんにちは。

なんやかんや言いながら、IC-7300には楽しませてもらっています。
いずれ海外の猛者が内部のパラメータをいじった結果のリポートを上げると思いますので、心待ちにしているところです。w

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